
こんにちは。駄菓子とおかしの研究所、運営者の「s.ma」です。
「有塩バター大量消費」で検索されたということは、もしかして冷蔵庫に使い切れなかった有塩バターが眠っていませんか?
お菓子作りのレシピを見ると、ほとんどが「無塩バター」指定ですよね。有塩バターは使えないのかな?と迷ったり、無塩バターの代用として使う場合の塩調整が分からなかったり…。(※有塩バターと無塩バターの違いとは?)
私も、塩バタークッキーやパウンドケーキを焼くときに、有塩バターの塩分濃度ってどれくらいなんだろう?と調べたことがあります。
実は、有塩バターの特性をちゃんと理解すれば、お菓子作りや普段の料理にも大活躍するんです。大量消費に役立つ冷凍保存の方法も知っておくと便利ですよ。
この記事では、そんな有塩バターの活用法を、私と一緒に見ていきたいと思います。
- 有塩バターをお菓子作りに使う基本
- 無塩バターの代用と塩の調整方法
- 有塩バターの風味を活かすお菓子
- 便利な冷凍保存と解凍テクニック
有塩バター大量消費のお菓子の基本
まず、なんでお菓子作りは「無塩バター」が推奨されがちなのか、その理由から見ていきましょう。有塩バターの特性を知れば、お菓子作りに活用する道が見えてくるはずです。
お菓子作りに有塩バターは使える?
結論から言うと、もちろん使えます!
ただ、お菓子作りのレシピで「無塩」が指定されるのには、ちゃんとした理由があるんですね。
それは、「塩分量を正確にコントロールするため」だそうです。プロのパティシエさんは、塩を0.1g単位で調整したりするので、バターにもともと塩が入っていると計算がズレてしまう…というわけです。
でも、私たちがお家でお菓子作りを楽しむ分には、有塩バターの塩気を逆に「風味」として活かすことができます。有塩バターに含まれる塩味は、砂糖の甘さを引き立てたり、味に深みを与えたりする効果(味の対比効果ってやつですね)が期待できるんですよ。
無塩バターからの代用と塩調整
一番気になるのが、「じゃあ、無塩バターのレシピを有塩バターで代用するとき、どうすればいいの?」ってことですよね。
基本的なルールはとてもシンプルです。
無塩バター指定のレシピに「塩 ひとつまみ」や「塩 〇g」と書かれていたら、その「塩」を入れない。
これだけでOKな場合がほとんどです。
有塩バターに含まれている塩分が、レシピに書かれている「塩」の代わりを果たしてくれる、というわけですね。
注意点があります
ただし、チーズやベーコン、ハムみたいに、バター以外にも塩分を含む材料がレシピに入っている場合は、注意が必要です。有塩バターを使うと、思った以上に塩分が強くなりすぎる可能性があります。
有塩バターの塩分濃度は約1.5%

もう一歩進んで、具体的に塩分量を調整したい!という探求派の方(私です)のために、もう少し突っ込んでみましょう。
一般的な有塩バターの塩分濃度は、だいたい1.5%前後だと言われています。
ある資料によると、無塩バター10gに対して塩0.15gを加えることで、有塩バターに近い風味(軽い塩味)を再現できるんだとか。
…ということは、計算すると 0.15g ÷ 10g = 0.015。つまり1.5%!
これを覚えておくと、バターの量から塩分量を計算できて便利ですね。
【有塩バター(1.5%換算)の塩分量 目安】
- バター 10g = 塩分 約0.15g
- バター 50g = 塩分 約0.75g
- バター 100g = 塩分 約1.5g
- バター 200g (1箱) = 塩分 約3.0g
もし元のレシピが「無塩バター100g、塩1.0g」だったら、有塩バター100g(塩分 約1.5g)を使うと、計算上は0.5gほど塩分が多めになるな…という目安になります。
塩バタークッキーのレシピ活用

有塩バターの塩気を活かすお菓子といえば、やはり王道は「塩バタークッキー」です。単に「しょっぱい」のではなく、砂糖の甘さを塩分が引き立てる「味の対比効果」を利用することで、無塩バターには出せない中毒性のある美味しさが生まれます。
この対比効果を最大限に活かすためには、以下の素材との組み合わせが特におすすめです。
- チョコレートチップ:特にカカオ分が高めのビターチョコや、逆に甘みの強いホワイトチョコと合わせると、塩味がカカオの風味やミルキーさを際立たせます。
- ナッツ類:クルミやアーモンド、マカダミアナッツなどの香ばしさは、塩分と結びつくことでロースト感が強調され、よりリッチな味わいになります。
- キャラメル:「塩キャラメル」が定番であるように、焦がした砂糖の苦味と甘みに有塩バターの塩気は最高のパートナーです。
また、作り方のコツとして、有塩バターを使う場合は「生地を少し厚め(1cm程度)」にして焼くのがおすすめです。厚焼きにすることで、外側のサクサク感と内側のバターのジューシーさが残り、有塩バター特有の旨味をダイレクトに感じることができます。
仕上げに「追い塩」として、フルール・ド・セル(大粒の天然塩)を表面に数粒乗せて焼くと、食感のアクセントと共に塩気のグラデーションが楽しめます。
パウンドケーキも美味しくなる
バター、砂糖、卵、小麦粉を同量ずつ使う「カトルカール(パウンドケーキ)」も、有塩バターのポテンシャルを存分に発揮できるお菓子です。
本来、バターの風味が味の決め手となるケーキですが、有塩バターを使用することで、以下のようなメリットが生まれます。甘さの輪郭がはっきりする 砂糖の量は変わらなくても、微量の塩分が加わることでぼんやりとした甘さが引き締まり、キレのある後味に仕上がります。 油っぽさを軽減する バターをたっぷり使うリッチな配合でも、塩気があることで油脂特有の重たさが和らぎ、最後まで飽きずに食べ進めることができます。
特に相性が良いのは、「柑橘系」や「紅茶葉」を使ったレシピです。レモンやオレンジの酸味、アールグレイなどの茶葉が持つ渋みは、塩分と出会うことで香りの立ち方が劇的に良くなります。
また、パウンドケーキは「焼き上がってから翌日以降が美味しい」と言われますが、有塩バターを使った場合は、塩分が全体の味をなじませる役割を果たし、寝かせることでより一層「熟成された深み」を感じやすくなります。
無塩バター指定のレシピで作る際は、レシピ内の「塩ひとつまみ」を省略するだけで、基本的にそのまま置き換えて問題ありません。有塩バターならではの「コク深い焼き菓子」をぜひ体験してみてください。
有塩バター大量消費のお菓子の応用

有塩バターの扱いに慣れてきたら、もう「代用」っていう考え方じゃなくて、「有塩バターだからこそ美味しいお菓子」に挑戦してみるのがおすすめです。料理や保存方法も一緒にチェックしていきましょう!
フィナンシェは焦がしバターで
有塩バターのポテンシャルを最も劇的に引き出せるお菓子、それは間違いなく「フィナンシェ」です。フィナンシェの魂とも言える「焦がしバター(ブール・ノワゼット)」を作る工程において、有塩バターは驚くべき効果を発揮します。
バターを鍋で加熱し、水分を飛ばして色づけていく過程で、有塩バターに含まれる塩分が、メイラード反応(褐色反応)によって生まれる「ナッツのような香ばしさ」を爆発的にブーストさせます。
この現象は、単に味が濃くなるということではありません。無塩バター+後入れ塩との決定的な違い 無塩バターで作った生地に後から塩を加えても、塩の粒子が完全に溶け切らず、味にムラができたり、塩味が浮いて感じられたりすることがあります。しかし、有塩バターは最初から乳脂肪分の中に塩分が分子レベルで均一に溶け込んでいるため、生地の隅々まで均質で奥深いコクを行き渡らせることができるのです。
※作成時のワンポイント
有塩バターは無塩バターに比べて、加熱時の泡立ちが大きく、また色づきが早い傾向があります。焦がしすぎを防ぐため、理想的な「ヘーゼルナッツ色」の一歩手前で火から下ろし、余熱で仕上げるようにすると失敗しません。
ガレットブルトンヌもおすすめ
フランス・ブルターニュ地方を発祥とする厚焼きクッキー「ガレット・ブルトンヌ」も、有塩バターで作ることで真価を発揮するお菓子です。
そもそもブルターニュ地方は、世界的に有名な「ゲランドの塩」の産地であり、昔からバターと言えば「有塩」が当たり前でした。つまり、このお菓子に関しては、無塩バターを使う方がアレンジであり、有塩バターを使うことこそが「正統派(本場の味)」なのです。
ガレット・ブルトンヌの魅力である、ザクザクとしたハードな食感と、口いっぱいに広がる芳醇な香り。ここに有塩バターのしっかりとした塩気が加わることで、以下の効果が生まれます。
- 甘みのキレ: 濃厚な生地の甘みを塩気がキリッと引き締め、重たさを感じさせません。
- ラム酒との相乗効果: 多くのレシピで使われるラム酒の芳香とバターの塩気は相性が抜群で、大人の味わいを演出します。
「代用」としてではなく、あえて「最高に美味しいガレットを作るため」に、有塩バターを選んでみてください。
大量消費に便利な冷凍保存の方法

「大量消費」を目指すとはいえ、無理に使い切る必要はありません。バターは正しく冷凍すれば、風味を損なわずに長期間保存できる食材です。
しかし、バターは非常にデリケートで、「酸化(光と空気)」と「ニオイ移り(冷蔵庫臭)」が大敵です。これらを完璧に防ぐために、プロも実践する「遮光・密閉の三重包装」を強くおすすめします。
【劣化させない最強の冷凍保存フロー】
- 用途別にカット(小分け): 150gや200gの塊のまま冷凍すると、使うたびに解凍・再冷凍を繰り返すことになり品質が落ちます。
- お菓子作り用:50g~100gブロック
- トースト・料理用:10g程度の薄切り
- アルミホイル(銀紙)で包む:
ここが最重要ポイントです。ラップは酸素を通しますが、アルミホイルは光も空気もほぼ通しません。まずアルミホイルで隙間なくピッチリと包みます。 - ラップで包む:
アルミホイルの上からさらにラップで包み、物理的な保護層を作ります。 - 冷凍用保存袋(フリーザーバッグ)へ:
最後に保存袋に入れ、空気を抜いて密閉します。袋に「冷凍した日付」と「グラム数」を書いておくと、使う時に迷いません。
この手間をかけるだけで、半年後でも「冷凍庫くさい」バターにならず、美味しいまま使い切ることができます。
用途別の冷凍バター解凍テク
冷凍バターを美味しく使う鍵は、料理やお菓子の工程に合わせた「最適な解凍方法」を選ぶことにあります。
Case 1:料理やトースト(加熱調理)に使う場合
解凍の必要はありません。「凍ったまま」直行させてください。
- トースト・ホットケーキ:熱々の表面に乗せれば、余熱でじわっと溶け出し、最高の口溶けになります。
- 炒め物・スープ:フライパンや鍋に凍ったまま投入すればOKです。
Case 2:お菓子作りで「クリーム状」にする場合
クッキーやパウンドケーキなどで「バターを練る(ポマード状にする)」必要がある場合、最も確実なのは「冷蔵庫での自然解凍」です。
使う前日の夜に冷凍庫から冷蔵庫へ移しておきましょう。ゆっくりと温度を戻すことで、バターの水分と油分が分離するのを防ぎ、滑らかなエマルジョン(乳化)状態を保つことができます。これは失敗しないお菓子作りの鉄則です。
Case 3:今すぐ柔らかくしたい場合(時短テク)
急いでいる時は電子レンジを使いますが、これには高度な注意が必要です。目標は「溶かす(液体)」のではなく「緩める(固体)」ことだからです。
電子レンジ解凍のコツ
- アルミホイルは必ず外す: 発火の原因になります。
- 超低出力で: 解凍モードや200Wなどの弱設定を使用します。
- 10秒刻みで確認: 一気に加熱せず、10秒ごとに指で押して確認します。「指がスーッと入るくらいの固さ」になったら加熱終了の合図です。液体になってしまったら、そのバターは練るお菓子には使えません(溶かしバターとして使いましょう)。
お菓子以外の料理にも活用
有塩バターは、お菓子作りだけでなく、普段の料理においても「最強の調味料」として機能します。単なる油ではなく、「油分+塩分+乳製品のコク」がセットになった複合調味料だと考えてみてください。
特に以下の食材や調理法との相性は抜群です。キノコ類・根菜のソテー エリンギ、しめじ、舞茸などのキノコ類や、ジャガイモ、レンコンなどの根菜は、バターで炒めることで素材の水分が飛び、旨味が凝縮されます。仕上げに醤油を少し垂らす「バター醤油」は、日本人のDNAに響く無敵の組み合わせです。
魚介の仕上げ(モンテ・オ・ブール) 白身魚のムニエルやアサリの酒蒸しの仕上げに、冷たい有塩バターを一片落としてフライパンを揺すってみてください。ソースが乳化してとろみがつき、レストラン級のリッチな味わいに激変します。 炊き込みご飯・パスタ 炊き込みご飯の隠し味にひとかけら入れたり、茹で上がったパスタに絡めたりするだけで、動物性のコクが加わり、満足感が飛躍的に向上します。
オリーブオイルやサラダ油では出せない、食欲をそそる香りと濃厚なコク。これが有塩バターを料理に使う最大のメリットです。

有塩バター大量消費のお菓子の総括
さて、「有塩バター 大量消費 お菓子」というテーマで色々と見てきましたが、いかがでしたか?
有塩バターは「無塩バターの扱いにくい代用品」というより、「塩味とコクを兼ね備えた便利な複合調味料」として捉え直すと、活用の幅がぐんと広がる気がします。
今回のまとめポイント
- 無塩バターの代用は「レシピの塩を省略」が基本。
- 塩分濃度は約1.5%と覚えておくと調整に便利。
- フィナンシェやクッキーなど、塩気を活かすお菓子に最適。
- 使い切れない分は「三重包装」でしっかり冷凍保存。
- 料理に活用すれば、効率的に大量消費できる。
冷蔵庫に眠っている有塩バターが「悩みの種」から「多彩な風味を生み出すお宝」に変わるきっかけになれば嬉しいです。
※バターの塩分濃度やレシピの調整は、あくまで一般的な目安です。お使いの製品やレシピ、そしてご自身の好みに合わせて、ぜひ調整を楽しんでみてくださいね。